ゴミ清掃芸人・滝沢秀一が「ぎりぎりをせめるので続くだけやります法律お笑い」に出演
9月22日(月)の「ぎりぎりをせめるので続くだけやります法律お笑い」にマシンガンズの滝沢秀一さんが出演します。
マシンガンズの滝沢さんのコミックを以前読んだことがあって、日常の生活と深くかかわっているゴミについての考察が面白く、印象深く残っています。
その滝沢さんが9月22日の「ぎりぎりをせめるので続くだけやります法律お笑い」に出演します。どのような話が聞けるのか楽しみですね。
ゴミ清掃芸人・滝沢秀一氏について
ご存じない方のために、簡単なプロフィールを。
1976年生まれ。東京都出身。
1998年西堀亮氏とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。
2012年、安定した収入を得るために、お笑い芸人の仕事を続けながらもゴミ収集会社に就職。お笑い芸人との二足のわらじとして活動し、2018年にごみ収集員としての体験を綴ったエッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)を出版、ベストセラーとなる。
2020年環境省「サステナビリティ広報大使」に就任。
同年消費者庁「食品ロス削減推進大賞」委員長賞を受賞。
同年第125回「文學界新人賞」最終選考5作品に選出される。
2023年「THE・SECOND~漫才トーナメント~」(フジテレビ)にて、準優勝。
主な著書
- このゴミは収集できません (角川文庫)
- ゴミ清掃員の日常 (講談社)
- すごいゴミのはなし: ゴミ清掃員、10年間やってみた。(学研)
- ゴミ清掃芸人の働き方解釈 (インターナショナル新書)
『ゴミ清掃員の日常』は妻・滝沢友紀さんとの共同作業
『ゴミ清掃員の日常』や『ゴミ清掃員の日常 ミライ編 あたらしい時代で、しあわせになるゴミ出し術』(共に講談社)は妻の滝沢友紀さんとが作画を担当しています。
奥さんは48歳の漫画家デビューというのも面白いですね。
作業着を着た滝沢さんをデッサンしたり、2人の共同制作だったといえると思います。

滝沢秀一氏のキャリアについて調べてみた
滝沢秀一さんはもともとお笑い芸人一本で生活していくことを考えていたみたいで、今の滝沢さんのキャリアから考えると意外に思えるかもしれません。
子供をもったことなどにより収入を増やすために、いくつかのアルバイトを当たってみたところ、すべて断られ、行きついた先がゴミ清掃会社だったそうです。
ほぼ年齢が不採用の理由だったようです。(ゴミ清掃会社に就職されたのが2012年ということなので36歳頃ということですね)
日本の就職事情における手ごわいエイジズム(年齢主義)を感じるエピソードであり、筆者自身の転職体験でもエイジズムについての話題を取り上げていますので、よろしければご覧ください。
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最初は単なる副業としてのゴミ清掃業
滝沢さんは最初はお笑い芸人を軸として生活したかったそうです。
しかし芸人ではあまり稼げなかったので前述したようにアルバイトをすることを考え、それでもなかなか採用に至らず詰まっていたところ、知人の紹介でゴミ清掃会社に雇用されることになったようです。
最初はハードワークに音を上げそうになったが他にできることもないので辞めるわけにはいかない、という状況でつづけていたとのことです。
一時しのぎだった労働にセレンディピティ(serendipity)を見出した
セレンディピティというのは、「偶然の出会いから何らかの予想外の価値を見つけること」、というような意味です。
最初はただの労働ととらえていたうちは、ゴミ清掃の仕事は嫌な仕事だったようです。
しかし、嫌だった仕事を超ポジティブな対象として昇華させていく話が興味深いです。そこに対する考察ができたからこそ今の滝沢秀一さんが生まれたといえると思います。
一体、ゴミの仕事の何が嫌なのか?
もちろんさまざまな要素はあるが、お笑いで売れないから仕方がなくゴミ清掃員をやっているということも、この仕事が嫌だという要因になっていた。
いちばんの苦痛は何かというと「感情が動かないこと」だと気づいた。ゴミ清掃員として働きながらも、心の中はお笑いで売れるためには、どうしたらいいのだろうと考えながら従事していたので、今、行っている作業に対しては何の感情も動かなかった。
これがいちばんつらかった。
つまり、生活のために仕方なくやっている仕事だからということで、その仕事の中で湧き上がる感情を殺していた(抑圧していた)ということではないかと思います。
喜びや怒り、さまざまなものを抑圧しているとだんだん精神的にきつくなるということではないでしょうか。
ゴミ清掃員の作業がやりやすいようにゴミ出しをしてくれる人の配慮に感動したり、逆にマナーが悪い行為に対する怒りなど、仕事をしていく中でさまざまな感情が起こるのを無視せず、しっかり感動したり、または腹を立てたりするようにしたそうです。
その結果、住民にゴミに対する関心を持ってもらえるためにはどうしたら良いか、上手なゴミ出しのテクニック等々、滝沢さんの気持ちはいろいろなことを吸収することに向かっていきました。
ゴミ清掃の仕事を究めてやろうと思ったわけです。
それらのすべてをメモに残すようにしたそうです。
これは非常に大事なことだと思います。自分の感情をメモに残すことにより潜在意識に働きかけたり思考が整理されたりするのとともに、後日書籍などで発信したアイディアの源となったことが想像できます。
ゴミ清掃業がセレンディピティとなり滝沢秀一にもたらした価値とは?

ゴミ清掃の仕事に対してポジティブな考えになった滝沢さんのそれからの活躍ぶりは多くの人が知っている通りですね。
「ゴミ清掃員の日常」などのマンガの中でも、私たちが何気なく出しているゴミについての深い知識や観察に驚かされます。
そこではゴミ清掃をただの作業ではなく、社会考察のテーマとしてとらえています。
ゴミ事情にまつわる法則性についても面白い話題が満載ですね。
- ゴミぶくろの口をしばるだけで環境をよくできる
- ネッククーラーの捨て方(暑い夏が終わろうとしている今まさに必要な知識かもしれません)
- 裕福な住宅街はゴミが少ない
・・・などなど。
ゴミ清掃から生まれる社会考察

特に私がなるほどなぁ、と思ったのは富裕層が住むエリアにはゴミが少ないという話です。
お金がたまらない人というのは、なるべく安いものをたくさん買ってすぐに廃棄してしまい、一方お金持ちは長持ちする高品質なものを必要なだけ買うので廃棄物も少ないという傾向があるようです。
富裕層とミニマリスト、異なるようで共通するところがあるような気がします。
ミニマリストの方々は精神的に豊かですしね。
副業と本業との逆転

「ゴミ清掃芸人の働き方解釈」という本では滝沢秀一さんの仕事に対する考え方が詰まっています。
芸人とゴミ清掃のどちらが本業でどちらが副業か。
「そんなことはどうでもよくなった」と語られています。
ご本人の文章を読むと、むしろゴミ清掃の方を本業ととらえているような印象でした。
だからこそ、このような社会貢献ともいえるレベルの活動につながっているのかと思います。
近いイベントでは、2025年9月27日(土曜日)に町田市長とゴミの未来について語るというイベントがあるようです。このようなイベントで滝沢秀一さんの話を聞くと、彼の活動についてより一層理解が深まることと思います。
お笑い芸人マシンガンズ滝沢氏と町田市長が“ごみ”を語り尽くす! 町田市民ホールでイベント開催
まとめ
ゴミ清掃芸人・滝沢秀一さんの哲学や活動について調べてみました。
現代社会で収入源が一本ではなく、副業または複業というのは賢明な働き方とされていますし、ダブルワークをしている滝沢秀一さんはその一つの模範となっていると思います。
いやいや生活のためにしていた仕事を一転ポジティブな対象に変換したからこそ、そのような働き方ができているわけですね。
その精神は私たちの仕事に対する考え方に大きな示唆を与えてくれるものではないでしょうか?

今回の記事を書いたことは、私自身の働き方について考えを深めるよい機会になりました。
まだ読んでいない、滝沢さんの他の著書も読んでみようと思います。


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