当ブログの高橋成美さんについての記事でポリグロット(多言語話者)のことを書いたので、この記事では、複数言語を学ぶことでどんなことが起きてどんなメリットがあるのかを考えてみたいと思います。
また、多言語並行習得の過程で出くわす、ちょっとしたデメリットについても話してみたいと思います。
習得過程や学習方法が人それぞれで違うように、感じるメリットも異なると思いますので、私個人の考えとして読んでみてください。

複数言語を話すことは珍しいか?
日本では少ないかもしれませんが、諸外国ではあまり珍しいことではないようです。
自民族の言語 + その国の国語 + 国を超えた共通語である英語の3言語を話す人たちは多いですね。
たとえば中華系のマレーシア人の人たちは、自分たちの民族言語である中国語を話し、国語であるマレーシア語を理解し、そして英語を習得して、結果3言語を使いこなしていますね。
日本でも英語を義務教育から学んでいますが、アジアの多くの人たちはそれプラス1言語という感じですね。
ヨーロッパでも自国語はもちろん、英語を学校で普通につかっていて英語ネイティブかと思うくらい英語が上手い人たちが多いですよね。
というわけで、3言語をつかえるということは人類の間では珍しいことではないと言えます。
単一言語を深く追究? 複数言語を最低限できるようにする? どちらが良いのか?
しかし、4か国語を話す、となったらどうでしょう?
かなり割合は減ると思います。
ある程度外国文化や言語習得に興味がある人が母語以外の第3言語を習得した結果、4か国語以上を話せるようになるという流れかと思います。
日本でも英語を学校で習いますので、ある程度分かる人たちが多いわけですが、さらに外国文化に興味がある、語学が好き、という人は世界共通語である英語の上達を目指す流れが多いと思います。
中には「英語は興味ないが何らかの理由で他の言語を学んでできるようになった」、という人もいますが、大方は英語を究めようと思います。
(知らない言語がつかわれている土地に行ったときに、まず英語でコミュニケーションをとろうと思いますからね)
では、英語を学んでいる途中で他の言語に興味がわいた場合、その言語にも手を出すことについてはどうでしょう?
私の考えとしては、英語を究めることと他の言語を学ぶことは相反することではないと思います。両立することは可能でしょう。
それなりに時間や労力がかかりますが、並行して学ぶことが必ずしも中途半端な結果になるということにはならないと思います。
それは語学以外の世界でもありますよね?
普段ベースプレイヤーとして活躍しているミュージシャンが、コード楽器であるピアノもバリバリ弾くというようなことはよくあることです。
この例でいうと、ピアノなどでハーモナイズなどを深く学ぶことによりベースの演奏に幅ができるという相乗効果もあるわけですね。
また、楽器のプレイヤーが楽器やボーカルのみならず絵画など別の創作活動をするというようなことも普通にありますね。
私も一時期はジャズプレイヤーとして成長することだけを考え、好きな語学や読書などを犠牲にしていた時期が長い間ありましたが、今思うと「修行中の身だからと言っても、他のやりたいことも同時にやっていいんじゃないか」と思うに至りました。
一つにかけられる時間が減るので成長のペースは遅くなるのですが、それぞれが影響しあう相乗効果を感じるからというのと、我慢しているストレスを抱えるよりもチャレンジできるうちにやりたいことをやっていこう、という気持ちもあるからです。
それには最大効率で何をどのように学んでいくかという、時間のつかいかたを常に意識して工夫する必要はあります。それぞれの試みが、中途半端で終わるかある程度のレベルまで到達するかはそれにかかっているといえるでしょう。
仕事をリタイヤしてからやるか、などと考えていてもそのころそれができる保証もないわけですしね。やりたいときにやるのが一番かと思います。
複数言語を習得するメリット
複数言語を習得すると、いろいろなことに気づきますので語学習得が楽しくなってくるというのは大きなメリットです。
言語は横につながっているものが多いので、兄弟言語である英語とフランス語を学ぶ例でいうと、この単語や言い回しはどちらも同じように言う、でもこれの言い方は全然違う、というような共通点や違いを日々発見することになります。
日本語でよくつかうこの言葉は、実は○○語から来ているのか、というような例もありますね。その瞬間は英語よりも○○語のほうに親しみを感じるでしょう。
それと、一見関係なさそうな言語同士で、似ている単語や表現があるのを発見するのも楽しみの一つです。
おそらく、アフリカにしても東南アジアにしてもヨーロッパ諸国の植民地時代があったりして、言語も影響を受けている部分があるので、そのような共通点が見られるのかと思います。
その点は、日本も外来語としていろいろな外国語を日本語としてつかっているので、似たようなものですね。
複数言語を習得するデメリット
完全に初学者として複数言語を同時に学ぶと、混乱する場合があります。
インドネシア語の文章をつくっているときに、「ああ、これはフランス語の単語だった」とか間違えることはよくあります。
比較的慣れている英語の作文でも(文章を書くか会話中に文を組み立てるかにかかわらず)、普段力を入れて学習している言語(たとえばフランス語)の単語が先に出てきてしまって、それを頭で修正して本来の英単語を思い出すのに一瞬遅れるということも起きます。
たとえば、I’ll have chicken. (チキンにします)と言いたい場面で I、
‘ll have ayam. と頭に浮かんでしまった。
「あれ、ayamはマレー語だよな?」
I’ll have du poulet.
「いやいや、フランス語になっちゃった」
みたいなことがあるので、言葉に出すのにワンテンポ遅れるという一種の劣化現象があったりします。
それと、英語とフランス語のような似ているところが多いもの同士だと簡単にごっちゃになります。
たとえば、フランス語を読むときに “situation”という単語を「スィチュエーション」のように発音してしまうとか。
スペルが英語と同じでもフランス語では「スィトゥアスィオン」のように発音しますのでどちらかというと日本語よりの読み方なのですが、うっかりすると英語読みに引っ張られてしまいます。
逆の場合もあり、英語を読むときにたとえば “comment”を「コマン」みたいにうっかり読んでしまったり。※カタカナでは表現できませんが正確には「ク」と「コ」の中間、「マン」と「モン」の中間のような音
「まずい、コメント」だった、と気づいてなおします。
完全にその時に慣れている読み方に引っ張られてしまう例ですね。
ちなみに、「コメント」という意味の単語はフランス語では “commentaire” (コモンテェール)といいます。
フランス語での “comment”という単語は「どのように」という意味の疑問詞なので意味の認識もずれているんですが、スペルに反応してしまっているわけですね。
それらもそれぞれの言語の習熟度が上がれば解決することかと思いますので、日々慣れ親しむことが重要でしょう。
語学好きの皆さんは、最初から完璧を目指すことなく楽しく上達していきましょう!


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