本記事では、ヴィクトル・ユゴーの有名な長編「レ・ミゼラブル」と、もう一つ、初期の短編である「死刑囚最後の日」をご紹介したいと思います。
レ・ミゼラブル – Les Misérables の原作(小説)の話
レ・ミゼラブルは1862年にヴィクトル・ユーゴ(Victor-Marie Hugo)によって世に出された小説です。
ユーゴーが60歳のときですね。
小説ではスティーヴン・キングを超える勢いで、人物の描写や背景がこれでもかと、深堀りされているので、相当読みごたえがあります。
多くのファンを持つ、イギリス・アメリカ合作の映画『レ・ミゼラブル』(原題: Les Misérables – 2012年12月21日公開)は、ミュージカルをもとにしていますが、ミュージカルは原作とはかなり異なる脚色がされているので、フランス社会やレ・ミゼラブルのストーリー世界に興味がある方は小説も読んでみることをお勧めします。
この長尺な物語にある社会的背景を知ると、映画、ミュージカルもより興味深く観ることができると思います。
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ヴィクトル・ユゴーの短編
政治活動にも熱心であったユーゴーは死刑廃止論者でもあり、レ・ミゼラブルよりはるか前、27歳の時に「死刑囚最後の日」( Le Dernier Jour d’un Condamné )という小説を刊行しています。
ギロチンの時代、自身も処刑を何度か目撃し、社会がそれを容認していることに怒りを感じました。その怒りが、彼に死刑廃止論を世に問わせる原動力になりました。
この小説には、レ・ミゼラブルとの共通点があるところも興味深いです。
本作の主人公が処刑を待っているとき、別の死刑囚に出会いますが、その死刑囚は、妹の家族を救うために一斤のパンを盗んだために監獄へ送られたと主人公に語ります。
これはジャン・バルジャンの境遇そのものですね。
そういえば、小説『レ・ミゼラブル』の序盤で、死刑台の描写がありました。随所に作者ユーゴーの思想がちりばめられているのを発見できることでしょう。
死刑囚が処刑される日、彼は3歳の娘マリーとの面会が叶います。
しかし、1年ぶりで髭を生やした彼を娘は父親だと認識することはなく、また父親は既に亡くなっていると彼に話します。
これについては、レ・ミゼラブルのコゼットが父親代わりに自分を育ててくれたジャン・バルジャンに対する愛の表現と対極をなしていて、切ないものがあります。
(しかし、1年会っていないで容貌が少し変わったくらいで親を認識できないかなー?でも3歳だとそんなものでしょうか)
『死刑囚最後の日』は短編なのですぐに読み切れると思います。
レ・ミゼラブルファンの方も、ユーゴーの思想をもっと知ることができるこの作品、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
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さらに、映画版と原作である小説版との比較やそれぞれの楽しみ方について興味がある方は、ぜひこの記事も読まれてみては?
レ・ミゼラブル-映画・ドラマ・原作-それぞれの味わい方

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